髪の毛の90%以上はケラチンというタンパク質から構成されています。つまり、体の中でケラチンを増やすことは育毛を促進することにも繋がります。
そんなケラチンはアミノ酸によって構成されていますが、アミノ酸だけではなくもう1つ重要な成分が亜鉛です。
今回はケラチンについて詳しく掘り下げ、また、亜鉛が多く含まれた食品を一覧でご紹介したいと思います。
目次
髪の毛の90%を構成するケラチンとは
ケラチンはシスチン・グルタミン酸・ロイシン・アルギニン・セリン・スレオニン・アスパラギン酸といった18種類のアミノ酸で構成されたタンパク質です。髪の毛の90%がこのケラチンで出来ており、髪の毛には必須。育毛を考えるにおいてもこのケラチンという成分を無視しての育毛はありえません。
ケラチンは髪の毛だけでなく爪や皮膚の角質層を形成するタンパク質でもあり、人の体にとって無くてはならないものです。
ケラチンのアミノ酸構成一覧
アミノ酸名 |
含有量(%) |
シスチン | 17.2 |
グルタミン酸 | 13.8 |
ロイシン | 6.5 |
アルギニン | 9.1 |
セリン | 6.9 |
スレオニン | 7.6 |
アスパラギン酸 | 4.9 |
プロリン | 6.7 |
グリシン | 4.1 |
バリン | 5.6 |
アラニン | 2.8 |
フェニルアラニン | 2.5 |
イソロイシン | 4.8 |
チロシン | 2.4 |
リジン | 2.5 |
ヒスチジン | 0.9 |
メチオニン | 0.9 |
トリプトファン | 0.8 |
シスチンが含まれた食品
ちなみにケラチンの中でも最も多いアミノ酸がシスチンです。シスチンは体内では合成できない必須アミノ酸で、このシスチンが多く含まれた食品は大豆・小麦粉(全粒粉)・牛乳・レバー・玉子・肉・魚などがあります。
これを見る限りでは大抵が一般的な食事で摂取する物ですので、注意して接種する必要も無いかとは思いますが、覚えておくとより心がけられるようになるかと思います。
ケラチンが合成される流れ
ケラチンを構成するシスチンなどのアミノ酸が毛母細胞に運ばれ、そこで亜鉛がアミノ酸をケラチンにします。
つまり、亜鉛不足はケラチン不足に直結し、さらに、ケラチンは髪の毛の90%を構成していますからケラチン不足は薄毛に繋がるというわけです。
亜鉛不足→ケラチン不足→薄毛
ただ、亜鉛不足は生活習慣の改善と食事を整えることで解消出来ますので、取り組まれてみて下さい。
亜鉛が含まれる食品一覧
それでは亜鉛が含まれる食品の一覧をご紹介したいと思います。
食品100g当たりの亜鉛の含有量 |
|
食品名 |
単位:mg |
牡蠣(生) | 13.2 |
豚肉(レバー) | 6.9 |
ほや | 5.3 |
牛肉(肩) | 4.9 |
かに缶 | 4.7 |
牛肉(肩ロース) | 4.6 |
牛ひき肉 | 4.3 |
牛肉(尾/テール) | 4.3 |
たいらがい | 4.3 |
牛肉(ひれ) | 4.2 |
たまご(卵黄) | 4.2 |
はまぐりの佃煮 | 4.2 |
牛肉(ミノ) | 4.2 |
牛肉(もも) | 4.2 |
たらばがに | 4.2 |
ローストビーフ | 4.1 |
コンビーフ缶 | 4.1 |
牛肉(もも) | 4.0 |
いかなご | 3.9 |
毛がに | 3.8 |
たらこ(焼) | 3.8 |
牛肉(レバー) | 3.8 |
しゃこ | 3.3 |
鶏肉(レバー) | 3.3 |
プロセスチーズ | 3.2 |
ずわいがに | 3.1 |
たらこ(生) | 3.1 |
パルメザンチーズ | 7.3 |
煮干し | 7.2 |
松の実 | 6.0 |
ごま | 5.9 |
情報参照:栄養andカロリー計算 |
牡蛎は一般的にも栄養価が高く健康に良いとされていますが、亜鉛の量はずば抜けて高い事が分かります。肝臓などにも良いとされており、健康維持・薄毛に悩む方にも理想的な食品と言えます。
亜鉛の1日の推奨摂取量
亜鉛が多く含まれた食品がわかったところで、どれくらいの量の亜鉛を摂取すれば良いのかご紹介します。
この推奨量を見るとイメージ的には簡単なようにも思えます。
先程紹介した亜鉛を含んだ食品一覧は100gあたりの亜鉛の量ですから、牡蛎の場合は100g弱食べれば男性1日分の推奨量の亜鉛が摂取できます。
ちなみに牡蛎で言うと100g食べようと思ったら通常サイズで5〜6個になるそうです。
牛肉ですと約300g食べる必要があります。
ただ、これを毎日続けるとなると簡単なようで、恐らく実際にやってみるとかなり大変です。毎日食べることもそうですが、出費という意味でも。
その為、できるだけ手軽に亜鉛を摂るという意味では亜鉛のサプリメントなどを活用することも検討する必要があるかもしれません。
お酒の飲み過ぎは亜鉛不足になる?
食事面で足りずに亜鉛不足になるという場合もありますが、食事さえしっかりしていれば亜鉛不足にならないかと言えばそれはNOです。
実はお酒の飲み過ぎでも亜鉛不足になります。
その理由が、お酒を飲むと肝臓によってアルコールが分解されますが、その際にアセトアルデヒドという毒素を持った物質が生まれます。
このような物質を分解する時に亜鉛が消費されてしまいます。その他にも先程紹介したアミノ酸なども消費されてしまうのです。
お酒は髪の毛の材料をどんどん消費してしまい、非常に悪影響を及ぼしてしまいます。いくらアミノ酸が多く含まれた食品や亜鉛が多く含まれた食品を摂取したとしてもお酒によって分解されるためどんどん消費してしまい、髪の毛に行き渡る前に使い果たしてしまう。ということが起こり得てしまいますので、薄毛対策を考えている方はお酒の頻度を減らすことも重要です。
喫煙も亜鉛を消費する?
実は喫煙も亜鉛を消費してしまい、亜鉛不足の原因の1つになりえます。
その理由が、活性酸素にあります。
タバコを吸うと体内に活性酸素が大量に発生してしまいます。この活性酸素は体内の酵素によって分解されるのですが、この酵素を働かせているのが亜鉛です。
タバコの本数が増えれば増えるほど亜鉛はどんどん消費されてしまう。
さらに、喫煙者にとってお酒はタバコの本数を増やすものです。
私も以前喫煙者でしたので、お酒を飲むとどうしてもタバコを吸いたくなるんですよね。
お酒+タバコによって相乗効果が生まれ亜鉛をますます消費してしまいますので、特に要注意です。
お酒・タバコに注意をしながら、アミノ酸や亜鉛が含まれた食品を積極的に摂取しながら、薄毛対策の一助に取り組んでみて下さい。